家事事件は,家族に関する事件を扱うため,感情的対立などを話し合いにより調整をすることが適切であるという考え方から,
いきなり訴訟を起こさず,まずは非公開の話し合いである調停で解決を図ることとされています。

これを「調停前置主義(ちょうていぜんちしゅぎ)」といいます(家事事件手続法257条1項)

調停を前置すると定められている事件について,調停を経ずに訴えを起こした場合は,「裁判所が事件を調停に付することが相当でないと認めるとき」を除いて,調停に付されます
(調停に回されて,調停の結論が出るまでは,訴訟は進行しません。)

結論が出るのを急いでいる当事者としては,調停をして数か月を費やすことを強要されるのは納得いかないということもあるでしょうが,
話し合いで解決できるか調整してみるという方法に効果があることもあるので,仕方がないと思って調停をしてみることになります

誤解があるといけないのですが,調停を経ていないからといって,必ず調停に付されるわけではありません

しかし,話し合いでの解決が困難と思っていても,裁判所を説得するのは大変なので(裁判所は,とりあえず調停をしてみてはどうかという考えです),
弁護士であれば,先に訴えを提起して調停に付されないように頑張るという方法ではなく,調停を提起してさっさと不調にする,
急ぐ必要のあることについては他の手段(保全処分など)を考えるというのが普通ではないかと思います。