「公示送達(こうじそうたつ)」とは,相手方当事者が所在不明の場合などに,訴状などを送達するための制度です

公示送達は,送達すべき場所が分からない場合,書留郵便等に付する送達(付郵便送達)によっても送達することができない場合など,民事訴訟法110条1項各号で定められた場合しかできません。

公示送達でよくあるのは,送達すべき場所が分からない場合なので,その場合の進み方について説明します。

  1. まず,当事者は,送達場所の調査をした報告書(調査したけれど,送達すべき場所が分かりませんでしたという内容の報告書)を裁判所へ提出して,公示送達の申立てをします。
  2. 申立てを受けた裁判所の書記官は,提出された報告書を見て,送達すべき場所が分からないと判断した場合は,送達すべき書類を保管して,公示送達書(送達を受けるべき者に対して,書類をいつでも交付すると書いた書面)を裁判所の掲示板に掲示します。
  3. 掲示を始めて一定期間(通常は2週間)が経過したら,送達を受けるべき者が書類を受け取っていなくとも,書類が送達されたことになります。

上の説明を見れば分かるとおり,公示送達書の掲示をしても,送達を受けるべき者がそれを見ることはあり得ないので,公示送達をするということは,送達すべき書類が相手方に届かないまま,届いた効果を認めるというのとほとんど同じことになります

したがって,公示送達は簡単には認められず,公示送達を申し立てる際の報告書は,住民票・戸籍附票により住所を調査して,その住所へ行って相手方がいないことを確認するなど,十分な調査をしたことを示す内容であることが必要です