追完

「追完(ついかん)」とは、

  1. 必要な要件を具備していないために効力を生じない法律上の行為が、のちに欠けている要件を備えて効力を生じること
  2. 売買契約において、履行が契約の内容に適合しないものであるとき、目的物の修補、代替物の引渡しなどを行うこと
  3. あとで提出するなどして、必要書類等を補うこと

です。

一般的には、追完は,上記1番目の意味として辞書などでは説明されています。
要件の足りないところを追加して(追加分も含めて完全にして)、効力を生じさせるということですね。

訴訟行為については,「当事者がその責めに帰することができない事由により不変期間を遵守することができなかった場合には、その事由が消滅した後一週間以内に限り、不変期間内にすべき訴訟行為の追完をすることができる。」という規定があります(民事訴訟法97条1項本文)。

例えば,
判決に不服があって上訴する場合,控訴状等を期限内(送達日から2週間以内)に提出する必要があります。
ところが,控訴状を提出しに行く途中,天災が発生して控訴状を提出できなかったときには(大地震で通行止めになるなど),その事由(大地震による通行止め)が消滅してから1週間以内に控訴状を提出すれば,追完することができ,控訴は有効となります

2番目の追完は、2020年4月施行の民法改正で明記された買主の権利である追完請求権における「追完」の意味です。
(民法562条)
追完請求権とは、売買契約において、売主に契約不適合責任が生じる場合に、買主の権利(取り得る手段)のひとつです。
引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しない場合、買主は、その不適合を知った時から一年以内であれば、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行を請求することができます。

一方、法律事務においては,上記3番目の意味として、厳密には上記のような民事訴訟法、民法に定められた追完でなくとも,追完ということばを使うことがあります

例えば,
訴状を提出する際に,当事者が法人等であれば資格証明書を提出する必要があります。
しかし、たまたま登記手続中で資格証明書を取得できなかった場合,資格証明書はあとで提出しますという意味で
 「資格証明書は取得できるようになったら追完します」
という言い方をすることがあります。
この場合、追完を「理由があって提出できないので,あとで提出します」という意味で使っています。

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