擬制陳述

民事訴訟において、第1回口頭弁論期日は被告の都合を考慮せずに指定されてしまうため、被告は第1回期日に出頭できないことがあります。

このような場合、被告が欠席したままで第1回期日を開き、答弁書を陳述した扱いにする(陳述したものとみなす)ことができます。
(民事訴訟法157条)
これを「擬制陳述(ぎせいちんじゅつ)」といいます。

原告が欠席した場合も、訴状を擬制陳述することは可能ですが、両当事者が出頭しなければ期日は開かれないので、訴状が擬制陳述されることはあまりありません。

数年前までは、両当事者が第1回期日前に弁護士を代理人に選任した場合、原告の代理人だけ出頭して被告の代理人は出頭せずに第1回期日を開き、出頭した原告代理人は訴状を陳述し、答弁書は擬制陳述されることが多かったといえます。

しかし、最近はウェブ会議で手続を進めることが多くなってきたため、両当事者が第1回期日前に弁護士を代理人に選任している場合は、第1回期日を開かずに取り消して、最初から書面による準備手続をウェブ会議で進めることも多くなりました。
そのような場合は、訴状も答弁書も陳述せずに手続を進め、証人尋問のために両当事者が出頭する期日にはじめて訴状、答弁書を陳述するということもあります。

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