成年後見制度

子供(未成年者)が,親に断り無く,「この湯飲みを100万円で買います」と契約してきたら,
それを知った親は,「この契約は取り消します」と言えば,契約を取り消せます。
これは,未成年者が契約などをするには,その法定代理人(通常は親)の同意が必要で(民法5条1項),同意がない場合は取り消すことができるからです(民法5条2項)。

成年となったら(20歳(2022年からは18歳)となったら),特別な事情がない限り,上記のようにして契約を取り消すことはできません。
しかし,それでは認知症や知的障害などで判断能力が十分にない方にとっては,不利益なことになりかねません。
(悪いひとに必要のない物を高い値段で買わされ,お金を取られてしまうかもしれません。)

そこで判断能力が十分でないひとに援助者を付けて,本人の権利を守ろうという制度が
「成年後見制度(せいねんこうけんせいど)」です。
ちなみに,「成年」とついていますが,本人が未成年でも利用できます。

成年後見制度には

  1. 本人の判断能力が不十分となった場合に,関係者の申立てによって家庭裁判所が援助者を選任する「法定後見制度(ほうていこうけんせいど)」
  2. 本人が判断能力のある間に援助者を選任して,判断能力が衰えたら援助者として活動してもらうという契約をしておく「任意後見制度(にんいこうけんせいど)」

があります。

法定後見制度には,本人の判断能力の度会いによって,
①「後見」,②「保佐」,③「補助」の3種類があり,
それぞれ「成年後見人」,「保佐人」,「補助人」が選任されます。

法律用語

前の記事

ブルーマップ
法律用語

次の記事

支払督促