代位弁済

「代位弁済(だいいべんさい)」とは、正確な法律用語としては、「弁済による代位」という効果を生じさせる弁済のことですが、これではどういうことだか分かりませんよね。

ネットでは、代位弁済を「債務者以外の第三者が、債権者に対し、借金の返済をすること」などという説明をしてあることが多いです。

債務者以外のひとも、原則として、債権者に対し、弁済(借金の返済をするなど)ができます。
その場合、
・債権者は、借金を返してもらえて満足するのでいいとして、
そのままでは、
・債務者は自分の代わりに借金を返してもらって一方的に得をしていて、
・返済をしたひとは、ひとの(債務者の)借金を自分のお金から返していて一方的に損をしている
ということになります。

それでは不公平なので、
民法は、「債務者のために弁済をした者は、債権者に代位する。」(民法499条)
と定めています。

「債権者に代位する」とは、
・債務者のために弁済をした者が、
・債権者としての地位を受け継ぎ、
・債権者が有していた一切の権利を行使することができるようになる
(債務者に対する金銭の支払の請求、抵当権などの担保権の実行をできるようになる)
ということです。

これによって、返済をしたひとは、返済した金額のお金を債務者に請求するなどして回収できることになり、不公平ではなくなります。

一般の方が「代位弁済」ということばを聞くのは、借金を返済できなくなって、保証会社などが代わりに弁済をした場合などだと思います。
その場合、弁済した保証会社などは、債権者(銀行など)に代位して、債務者に対し、借金の請求を行い、必要なら抵当権などを実行することができるようになります。

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