「遡及(そきゅう)」とは,過去に遡って効力を及ぼすことです
通常,何らかの行為の影響は,その行為以降にしか及ばないはずですが,それでは不都合がある場合に,過去に遡って効力を発生させるのが「遡及」です。

例えば,
詐欺による意思表示は取り消すことができ(民法96条1項),取り消された意思表示は,初めから無効であったものとみなされます(民法121条本文)。
騙されて偽物の宝石を購入したので何とかしたいのに,取り消しの効力が取り消し時点以降にしか及ばないのでは売買契約は有効のままです。
それでは,騙された人を救済できないので,取り消しに遡及効(そきゅうこう)を認めて,その宝石の売買契約自体を無効にするのです