「求刑(きゅうけい)」とは,検察官が裁判所に対して,「被告人にこのくらいの刑罰を科すべきである」という意見を述べることです。

検察官は,刑事事件の証拠調べが終わったあと,「論告(ろんこく)」と言って事実及び法律の適用について意見を述べます(刑事訴訟法293条1項)。
(具体的には,証拠調べの結果,どのような事実があったと証明されたのか,どのような犯罪が成立するのかなどについて,意見を述べます。)

その最後に,例えば「被告人を懲役○年に処するのを相当とします。」というように,検察官がどのくらいの刑が相当と考えるのかという意見を述べるのですが,その部分を求刑と呼んでいます。
裁判所は,検察官の論告・求刑,弁護人の弁論を聞いたうえで,判決を決めます

求刑は,検察官の単なる意見であり,裁判所は求刑に一切拘束されません
弁護士は,求刑のあとで,被告人やその関係者から「懲役3年と言っていましたが,懲役3年と決まったのですか?」などとよく聞かれますが,求刑は検察官の単なる意見(検察官の希望する刑)であり,実際の刑は裁判所の判決により決まります。
裁判所は,求刑の半分の刑にすることもできますし,求刑を超える刑にすることもできます。
(懲役3年の求刑に対して,判決は,法定刑の範囲であれば,懲役1年でも懲役5年でも可能です。)

しかし,実際には,なぜか裁判所の判決は,求刑の8割程度になることが非常に多く,求刑を超えたり,求刑の半分を下回ったりする判決はほとんどありません